いかすの農業は、循環型の「人と地球にやさしい農業」
2025.1.12(日)
私たちは土の中に、木のチップなどの有機物をいれます。
木のチップはただそれだけでは何もできません。
木のチップを分解できるのは、キノコ菌だけ。
キノコ菌は木のチップを分解してエネルギーを取り出せますが、
タンパク質がないので、カラダを大きくすることができません。
そこに、空気中の窒素を土壌に固定することができる菌がやってきます。
窒素固定菌と呼ばれるその菌は、窒素を固定するためにエネルギーが必要。
キノコ菌が窒素固定菌にエネルギーをあげるわけです。
そして、窒素固定菌が窒素(アミノ酸)をキノコ菌にあげるわけです。
そして、固定された窒素を植物が活用する。
そして、その植物は太陽のエネルギーで光合成をして糖を生み出します。
その糖をまた、根っこから周りの菌たちにシェアします。
木のチップ、キノコ菌、窒素固定菌、植物たち、
それぞれ単体ではなかなか生きるのが難しい生物たちが
誰かのために自分をいかすことで、みんなが幸せに生きることができる。
一方で、農業の世界で一歩先に起きていることがあります。
野菜や樹が病気になる。そうすると、病気を特定して、その病気を排除する。
結果、畑は前面消毒、野菜も樹も全部消毒。
ハウスでは、菌も虫も殺して、人さえも入れなくする。
そうすると、数年は大丈夫でも、気が付けば、病原菌がきて全滅してしまう。
これは、病原菌が強くなったわけではなくて、
その環境やそこの植物が弱くなっただけ。
これは、人間が自分だけ!俺だけ!とやった結果。
循環を断ち切って、自分の利益だけを得ようとした結果。
その結果、みんなが不幸せになった。
いかすは、人の営み、福祉の活動を通して、
土のなかで起きている“いかしあい”のありようを、
世界に紡いでいきます。