移行期の技術・土と作物ができるようになるまで②
サステナブル・アグリカルチャー by 湘南オーガニック協議会
2020.1.11(土)
移行期の技術②
■草生栽培
主に麦などのイネ科の草と相性のよい作物を同時につくることで、作物の病害虫の防除を狙っていく技術の一つです。マメ科の緑肥を使った方法もあります。
ここでは、主にイネ科の緑肥を使った草生栽培を紹介します。
①キャベツの畝間に麦の草生
通路に麦を生やしておいて、キャベツを育てます。麦がある程度大きくなったらキャベツの周りに刈り敷いていきます。刈り敷いた麦は、小動物や微生物に分解されて、キャベツに回収されていきます。麦の草生があることにより、天敵のクサカゲロウ、テントウムシ、ヒラタアブの幼虫、かえるなどが住み着きます。多様性がますことによって、キャベツが病害虫にやられることが少なくなります。
デメリットとして、麦との養分競合が起こるので、麦とキャベツの葉色を見ながら、麦がキャベツを押さえているようなら、麦を高刈りして、刈敷をしていきます。
②ソラマメの畝間に麦
ソラマメの畝間に麦を巻いておきます。ソラマメは、比較的アブラムシが付きやすい作物です。麦の草生を導入することにより、天敵が住み着き、きれいなソラマメができることを狙います。私が実践した事例だと、300株中3株のみがアブラムシがついていました。
他の株には、一切ついておらず、きれいなソラマメが収穫できました。比較的お勧めの方法です。エンドウなどにも同様に利用できます。
③ナスなどの果菜類と草栽培
アブラムシやダニの被害が減ります。麦に天敵がいついてくれるのと、アマガエルなども住み着くため、ニジュウヤホシテントウムシの害も減らせます。
④サツマイモの畝間に麦
サツマイモの通路部分にマルチ麦などをやると除草の労力が減るのと、有機物の補充にもなるので、一石二鳥。麦があることによる生態系の多様性がまし、アブラムシなどの害を減らせると思われます。
⑤かぼちゃの畝間にマルチ麦
麦は雑草抑制効果もあるので、他の雑草を抑えてくれます。また、マルチ麦を使うことにより、うどんこ病などの予防にもなります。マルチ麦はある程度で倒れて、倒伏後は、緩やかに分解されて、かぼちゃに養分を供給してくれまます。
【注】
根菜類などとはいっしょにやらなくていいかもしれません。また、作期の短い葉物などにも向いていないと思います。
土壌生態系が整って来たら、病害虫などもへってくるので、あえて畝まに麦を作らなくても良品の栽培が可能になってくると思われます。
カボチャやサツマイモの畝間のマルチ麦に関しては、抑草のための省力化技術としてもつかえるので、継続的に利用をお勧めします。