栽培技術ーにんにくの栽培方法
サステナブル・アグリカルチャー by 湘南オーガニック協議会
2019.12.14(土)
ニンニクの栽培は、シンプルに緑肥のソルゴー使うと楽でお勧めです。
ニンニクは9月~6月と栽培期間が長く、ニンニク終了後、次の作付までの期間に緑肥を使った栽培体系を組むことで、
育土を進めながら省力化の連作体系が組めます。
【原産地】
中央アジア原産とされている。人類に使われてきた歴史はふるく、紀元前3200年ころには、エジプトで栽培・利用されていた。ピラミッド建設の際の食料として、玉ねぎ・ラディッシュと一緒に提供された。
【来歴】
日本には、中国から8世紀ごろに伝わったとされている。全世界の生産量の8割を中国がしめ、日本では、青森県が全国の生産量の8割をしめる。
【作型】 秋作
【使用緑肥】 ソルゴー
【おすすめ品種】 ソルゴー(つちたろう・スーパーシュガーソルゴーなど)
【ソルゴーを利用したニンニク栽培】
●基本のすすめかた
ニンニクの栽培は、シンプルに緑肥のソルゴー使うと楽でお勧めです。
ソルゴー にんにく ソルゴー にんにくの連作体系を基本続けます。
また、翌年の種も自家採種していくと、種のほうもその土地と栽培の方式にあってくるので、年々、出来が良くなってきます。
●事前の準備
①物理性の改善
まず、物理性を改善するために、暗渠や明渠などは整えておきます。サブソイラーなどがあれば事前に入れて耕盤を破ります。さらに緑肥を作って、できた切れ目に根を伸ばしてもらい、根による根耕を進めます。
必要であれば溝などを切りチップなどを詰めて透水性・排水性の改善、同時に生物性を増すような準備も進めます。
②化学性の改善
ニンニクを作る際は、事前に土壌の化学性診断をして、PHやリン酸の数値などは見ておきたい。PHや有効態リン酸の数値が極端に低ければ、改良して調整してからスタートすると鱗形ものの栽培が容易になる。
●ソルゴーを使った養分循環の起こし方
<初年度>
栽培一年目はソルゴーがしっかりと育つよう準備する。事前に堆肥でもいいし、米ぬかや鶏糞などリン酸分を含んだ有機物を施用して、ソルゴーに吸収させて有機化してから鋤き込み、生物による養分循環を生み出し、ニンニクにつなげていく方向でいくと比較的作りやすい。後は、自家採種を組み合わせていくと年々作型が良くなっていく。
<養分循環の安定化のポイント>
ソルゴーは有機物量が多いのですが、緑肥は養分化していくスピードも速いので、養分循環が途切れていしまうこともあります。養分不足に陥ると、作物体が弱くなるので、さび病など病気にかかりやすくなります。
ソルゴーの鋤き込みだけでは足りない養分循環を生み出すために、ニンニク終了後か、ソルゴー鋤き込み時に、炭素資材を追加しておきます。そうすると持続的に微生物による養分循環が生み出されていきます。
養分化の早い炭素資材、養分化のおそい炭素資材を複合的に使うことで、常に一定量の養分循環を維持するように調整していきます。2~3年くらい継続的な投入を続けていくと、栽培が安定することからも、作物に必要な一定量の養分供給量が時間と共に整っていくと思われます。
【栽培手順】
①事前の土壌改良 物理性・生物性・化学性を整えておく
ソルゴーがしっかりと育つための堆肥やぼかしなどを施用していくことと、にんにく栽培の時に養分循環が高まるように事前に炭素資材も追加しておく。
②5月初旬 ソルゴー播種
③8月中旬 ソルゴー モア・耕起
④9月中旬~10月頃 ニンニク定植
定植7~10日前には、黒マルチをはり土壌微生物の状態を安定させておくとよい。
⑤翌年6月 ニンニク収穫 ⇒ソルゴーにつながる