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栽培技術ーニンジンの栽培方法

■原産地 アフガニスタン

比較的やせた土地でもつくりやすい。

 

■作型

春作と秋作の年2作

 

■栽培方法

 

 

【秋作】(中間地~暖地)

7月中旬~9月上旬にかけて数回に分けて播種をする

7月~お盆前は、年内収穫の作型。

8月のお盆以降~9月初旬の播種は、年明けから2月までの収穫の作型。

 

【1】 緑肥(イネ科)を使う作り方(秋・冬作の場合) 

比較的、どんな野菜でも育つ土なら、緑肥だけでいってみる手もあります。

明らかにやせている土ならば、緑肥の前に、肥料や堆肥をまいて、まずは、緑肥がしっかりと育つようにしてあげる。

緑肥の循環を利用した栽培方法なので、緑肥のすき込みによる養分循環量のアップを目指します。

 

①播種前の事前準備

秋作の場合、3月にエンバクを畑全体に10㎏/10aをばら蒔きし、トラクターで3センチくらいのイメージで軽く覆土を兼ねて耕起します。

 

②耕起の時期とタイミング

 

(1)1回目の耕起

エンバクが、出穂してくる乳熟期くらいまで育ったら、手押しのモアか、トラクターにつけるフレールモアで細かくしてから、浅くすきこむ。

登熟期にちかいようなエンバクなら、分解促進のために、軽く米ぬかやボカシなどをふってもよい。50~100㎏/10a くらい。微生物くんを増殖させるための餌の目的で。

できれば、緑肥の量にもよるが、10cm未満の浅い位置にすきこみ、好気性の微生物による分解を促進させる。

 

(2)2回目の耕起

10日から2週間ほどたったら、今度は、作土層全体にその残渣を広げる要領で、15センチの深さで耕起する。

 

(3)3回目の耕起をする場合は、畝を立てるときに行う。

 

③太陽熱マルチ:播種まえ4~5週間前

畝の形状は、持っている機械や自分のやりやすいように設定する。水はけがよい場合は平畝でもよいです。

一例として、畝間120cmの畝を立てて、透明マルチにによる太陽熱処理を播種前の

3~4週間前からかけておく。120の畝であれば、135センチの厚手の農ポリマルチを使うと3~4年くらい再利用も可能。

播種の3日前には、マルチをはずす。

マルチをはがした直後に播種すると障害を受けるときがあります。

いきなり好気的な状態になるので、ガスが発生し発芽障害などがおきる。3日くらいたってから播種するほうが安全です。

 

④播種

○土が痩せている場合(生種及びコーティング種子)

やせている土地ならば、生種で5mmに1粒くらいの間隔で厚まきで蒔いて、間引きながら育てます。

痩せている土地でも、厚くまいて、葉っぱがとなり同士が、くっついたら、間引くような栽培をとると、ニンジン同士が生育を助け合って痩せた土地でも形のそろいの良いものができやすいです。

※生種のほうがコーティング種子よりも安いので、あつく播種する場合は、生種がおすすめ。

 

○土が肥えている場合

比較的、なんでも育つような土地ならば、省力化をするために、

シダーテープでまく。まき筋には、籾殻で薄くかける。(保水のため)

一度、間引き菜も収穫したいなら、4センチ間隔でまき、一回間引き。

間引き無しで収穫したいならば、8cmから10cmの間隔で一発どりでOK

 

⑤発芽までの管理

※にんじん栽培の一番のポイント!!

発芽がうまくいくかですべてが決まります!!

播種後は、播いた筋にそって、足で踏んで鎮圧するなど、種と土を密着させ、下から水が上がってきやすいようにする。できれば、雨が降って少し土が落ちついた時を見計らえれば最高です。

ただ、この時期は、干ばつの時期にもあたります。

雨のない場合は、播種後、潅水をしながら発芽までの管理をしてあげるとよいでしょう。

・潅水のポイントとして、水のやりすぎは、ニンジン自らが水を求めて根を伸ばしていく力を弱めてしまうことにもなるので、あげすぎに注意をして潅水する必要があります。

 

【緑肥をつかった連作・無肥料栽培と自家採種をあわせると】

 

自家採種を繰り返しながら、緑肥を使った栽培に種の性質をあわせていくと、非常に秀品率の高いニンジンができます。さらに連作を繰り返すことによって、自家採種の品種はもちろん、他の品種のニンジンもつくりやすくなっていきます。

まさに、ニンジンによる、ニンジンのための、圃場になっていきます。

病害虫も年々減っていき、秀品率が上がってくるでしょう。

 

【緑肥を使った栽培のメリットとデメリット】

■メリット

・比較的、機械での管理がしやすい。大規模の栽培に向く

・毎年、秀品率が良くなっていく。

・連作障害が起きにくい

 

■デメリット

・畑で緑肥を作っている間の回転率が落ちること。

・機械がないと難しい

 

【2】緑肥を使わず、チップや廃菌床などの炭素資材を使って育てる場合】

秋・冬作に関しては、とにかく、炭素資材をすき込んでからの、太陽熱マルチがキーポイントになってきます。

太陽熱マルチをかけることにより、養分の循環量があがり、比較的容易にニンジンが育つようになります。

また、太陽熱処理は除草効果もあるので、省力でニンジンの栽培が可能になります。

 

 

【ニンジンの春作】

■春作2パターン

①マルチ・トンネル&パオパオ栽培(1~2月播種)

 

②マルチ栽培・路地直播栽培(3月~4月播種)

春作は、①②の方法で栽培。

①ビニールのトンネルと黒マルチを張った中に播種。播種後、パオパオを被覆しておくとより保温されて良い

②3月の初期は、黒マルチを使う。抑草をねらう。

路地への直播は、こちらは、太陽熱処理がかけられていないので、初期の除草を心がけてニンジンが大きくなるまで助けてあげる。草の少ない圃場で作るのがポイント。

※春作のポイント

一番は、草の管理。

基本的には、寒い時期なので、太陽熱マルチは利用できない。

ニンジンが発芽するまでに他の雑草も発芽してくる。

できるだけ、黒マルチなどを使い、草を減らす方向で持っていく。

 

■黒マルチをつかった太陽熱処理栽培の事例紹介

8月下旬~9月のまだ暑いころに春作のニンジン予定地に黒マルチをはっておく。

年が明けて、ニンジンの播種時期になったら、黒マルチをとって、播種をする。

その後、パオパオをかけて、ビニールトンネルを設置する。

比較的草が出にくく、除草労力を減すことができるようです。

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