微生物をいかした育土②ーケース(1)物理性もよく化学性も整っている場合
サステナブル・アグリカルチャー by 湘南オーガニック協議会
2019.8.10(土)
地域の篤農家といわれている方の畑を高齢になったため規模を縮小するということで、貸してもらった。
基本慣行でトウモロコシや葉物を作り続けてきた畑で、土壌診断をしてみたら、化学性に問題はない。
物理性も地域で作っている家畜ふんの「完熟たい肥利用によるトウモロコシなどを作り続けてきたせいか、団粒化がすすんでおり、水はけ、水持ちともに良い感じ。
【仮説パターン1】
作付例
トウモロコシ→キャベツ・ブロッコリー・白菜などのローテーションを行い作物をつくりながら育土。
今までの作物を引き継ぎながら、春先トウモロコシ、秋作にキャベツなどの作型を行う。
もともと、トウモロコシや葉物でつかっていたということなので、その作物に適した土壌生態系ができている可能性が高い。同じくそれを作ってみると省力化でいい。
近場でなんらかの炭素資材が入る場合は、トウモロコシ収穫後に炭素資材を追加して、初期は、炭素の量に応じて少量の微生物の餌としてのぼかしなどのチッソ源も施用しながら育土。
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キャベツの収穫後、収穫残さに追加して、炭素資材まいて、すきこみ。
また、トウモロコシの作型につなげていく。
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ちなみに、トウモロコシ自体が炭素資材として機能するので、畑で炭素を作りながら、少量の炭素資材を追加して作っていくやり方になっている。
<補完技術>
トウモロコシ収穫後、炭素資材とチッソ減を撒いて耕起。その後、キャベツ作付前に太陽熱処理をかけて、炭素資材の有効化を図る。
【仮説パターン2】
イネ科の緑肥利用及び、表面施用による炭素資材の利用による育土をしながら、つくれるものを作っていく。
今回は別の作物を想定
※イネ科緑肥はソルゴーやライムギ・エンバクなどを使う。
作付例
秋・冬のニンジン→ソルゴーもしくは、ライムギのローテーション
●ニンジン収穫後、えん麦もしくは、ライムギを播種。乳熟期くらいまで育てて、すき込む。
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●一度目の耕起は、10センチ以下の浅い位置にすき込む。好気性の微生物による分解を促進、2回目の耕起で作土層全体にすき込む。
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●しばらく置いてから、にんじん播種前2~4週間前くらいから、太陽熱処理をかける。
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●播種の2~3日前にマルチをとり、播種をする。