\SAS7期スクール日記・圃場実習DAY8・12月18日開催/
2021.12.18(土)
SAS圃場日誌担当のトーイです。
本日12/18(土)は、冬至を目前に控えた、年内最後の実習となりました。
作業前の瞑想タイムでは、一年で最も夜が深まる時期に倣うように、深い瞑想ができた方もいれば、僕のように師走の忙しさかまけて、色んな考え事をしてしまう人もいるようで…。人によって、季節の感じ方や身体の反応が違うようです。
さて今日は、スクール生の皆さんもきっと楽しみにしていた、SAS7期にして初の、マルシェ出店!
場所は藤沢駅側のサンパール広場。前日まで雨降りで心配でしたが、絶好のマルシェ日和に恵まれました。
スクール生は、午前組と午後組にわかれて、マルシェと畑作業を分担しました。
研修生の僕は、残念ながらマルシェには参加できませんでしたので、以下、圃場での作業記録です。(マルシェの模様は写真をご覧ください。大盛況だったようです!)
圃場では、キャベツの収穫とブロッコリーの側枝摘み、キャベツ苗の定植を行いました。
■キャベツの収穫・ブロッコリーの側枝摘み
午前中は、キャベツの収穫作業を行いました。
品種は甘く美味しい「とくみつ」。
手のひら大に肥大したキャベツを掴んでみて、しっかりと葉が巻いてよく締まっているのを確認したら、外葉を数枚押し倒して、菜切り包丁を使い根本を押し切ります。
同じ大きさに見えても、掴んで左右に揺らしてみると重さが全然違ったりするので、成育度合を確かめるのには、目視だけでは不十分なことがわかりました。
また、収穫作業はスピード勝負です。包丁で根本を押切る際に、不要な外葉が残ってしまうと、その調整の為に手間がかかってしまうため、なるべく一度で綺麗に切断することで、作業時間の短縮になります。
切断したキャベツは、株元にそのまま裏返しにして置いておき、後でいっぺんに回収します。
コンテナに回収する際は、キャベツが傷つかないよう、頭頂部を合わせるように2段積みにします。(その際、外葉でくるんでおくと尚良しです。)
このように、瞬時に収穫適期か判断するための観察力と、道具をうまく使う技術力が必要な収穫作業は、単純にみえて奥が深いものでした。
収穫後、採れたてのキャベツを、虫食い被害のあったものと食べ比べをしてみると、明らかに虫食い株の方が後味に辛味を感じました。
害虫は、硝酸対窒素を取り込みすぎて、アミノ酸やタンパク質が過剰になったメタボ株を狙います。作物の硝酸対窒素量と糖度は反比例するため、虫食い被害にあった株は糖度が低いと推測されます。(※授業日程の関係上、午前中に収穫を行いましたが、キャベツなどの葉菜類は本来、夕採りをした方が、光合成で蓄えた糖分が葉に集中しており、甘く美味しいそうです。)
また、講師のウッチーさん曰く、病害にあった株も、緑肥としてすき込むことで、畑がその病気に対する耐性をつけることがあるそうで、どんどん異変やイレギュラーに強い畑に育つそうです。どんな事象も畑に還元するのが有機農業らしいなと思いました。
■ブロッコリーの側枝摘み
キャベツの収穫後、時間があったため、予定にはなかったブロッコリーの側枝摘みを行いました。
ブロッコリーは、最も大きくなる頂花蕾の腋から、一口大で食べやすい側枝花蕾が何本か出ています。
菜切り包丁でサクサクと側枝を摘んでいくのは気持ちのいい作業でした。
(ブロッコリーは大きな頂花蕾で売られていることが多いですが、ひとつひとつ手でもぎ分ける必要がない側枝のまとめ売りは、密かに人気があるようです。)
■キャベツ苗の定植
午後は、畑を移動してキャベツ苗の定植を行いました。
苗は、通常の倍近くの育苗期間を灌水のみで育てた「スーパーセル苗(超老化苗)」。葉色は赤く、見た目はカラカラになっていますが、胚軸や本葉が強く、耐風性・耐乾燥性があり病害虫にも強いこの苗を、更に定植前に「どぶ漬け」といって、EM活性液を薄めた水に浸しておくことで、初期の水不足を補い、活着を促します。
事前に黒マルチを張った畝に、「ポンチローラー」で定植穴をあけていきます。約40メートルの畝に真っ直ぐに穴を開けていくのはなかなか難しく、穴がよれないよう慎重にローラーを進めます。
穴があいたら、各穴の側に苗を並べていきます。セルトレーの片側1列を空にして、グルっとひと巻きして端と端をくっ付けると、トレーを片手で保持でき、更にひと株ずつ抜き取りやすくなります(写真参照)。
苗を並べ終えたら、いよいよ定植です。並べられた苗を一株ずつ穴に差し入れ、周りの土を根鉢と圧着します。この際、なるべく定植穴を拡げないようにすることで、雑草の発生を抑えることができるため、丁寧に、かつ迅速に作業を行いました。
苗の中に、トレーに播種した際に誤って2粒種が落ちてしまい、2本の芽が出ているものがあった場合、大胆に根鉢を2分割します。根は多少切れても再生するため問題ありません。
全ての苗を植え終えたら、パオパオ(不織布資材)で畝を覆います。最近は朝は霜が降り、これからますます寒くなる季節のため、端で折り返して二重に被覆しました。
キャベツの定植作業を終えた後は、時間があったため、次なる定植へ向けた、隣畝の通路のQホー除草を行いました。(初期除草は、幼い苗が雑草に負けないよう生育を助け、中耕除草は浅く耕されることで畑の微生物活性が促され、追肥と同等の効果があるそうです。)
年内最後のスクールの後は、平塚駅近くの会場で忘年会でした。
皆さんと、この1年SASで学んだことや、普段のスクールでは話せていなかった農業以外のことまで、たくさんお話でき、更に親睦が深まりました。
以上、12/18(土)のSAS圃場日誌でした。