\SAS5期スクール日記・圃場実習DAY9・2月13日開催/
2021.2.15(月)
圃場実習9日目。
年が明け、今年初の圃場実習です。
天気は快晴。
季節は立春を過ぎ、間もなく「雨水」へと移り変わる頃。雨が降り、雪が溶けだす時期となります。
ここから地温や日照が徐々に高まり「啓蟄」へ。農閑期ももうすぐ終わりです。
この日の作業内容は、「春野菜の育苗(播種)」「小松菜、青梗菜の定植」。
今回は、「小松菜、青梗菜の定植」班に加わりました!
今の時期に葉物を直接畑に播種したところ、発芽するのに十分な温度にならずに発芽不良を起こしてしまったので、今回は小松菜と青梗菜を育苗しました。
播種日は2/1。育苗には電熱マットを20℃で設定して使用し、ビニールトンネルをかけて温度管理を行いました。
定植作業自体は、今までの実習で行った時と工程は一緒。
定植後に、夜間の放射冷却による霜害を防ぐために、不織布ネットを被せます。
更に、作物が低温感応して抽苔する“春化”という現象を防ぐため、ビニールトンネルを作ります。
ダンポールとマイカー線を使用してトンネルの土台を作り、農ポリと呼ばれるビニールを被せます。風で飛ばないように、上から再びダンポールやマイカー線、パッカーを使用して養生し、完成です!
ビニールトンネルにより昼間は内部の温度がかなり上がるので、低温感応を切ることが出来ます。
抽苔して花芽をつけると葉物として収穫が出来ない為、植物生理を利用してこのような工夫をします。
オンライン講義で学んだ事をこうして圃場で実践すると、学びが深まります!
また、この日は去年SASで実習した圃場を幾つか観察しました。
定植した玉ねぎは、葉が波打っている状態のものがあり、これは生育の勢いが強い証。
この圃場は地力が高く窒素含有量が高いので、お酢を葉面散布し炭水化物を補給して、窒素の吸収過多を防ぎながら様子を見ます。
また、タマネギは長く深く根が伸びるので乾燥に強く、「雨水」を迎えこれから雨が降り始めるので、灌水は不要。
えん麦を播種した圃場では、土壌が乾燥していて発芽が疎らでした。
ここから7、80cmになるまで生育させてから鋤き込み、夏のキュウリを植える為の緑肥にする予定です。
ジャガイモを定植予定の畝は、そうか病の予防として事前に米糠300kg/10aを散布。
キャベツを植えた畑では、生育促進のために液肥を散布。その際に、畝間の雑草を土を掘り起こすように深く除草しました。
これにより、畝間の表層まで伸びたキャベツの根も同時に切ってしまい、畝間に散布した液肥を根が吸収できず、生育が促進するどころか、葉色が黄色くなり弱ってしまいました。
この場合、液肥を畝間に散布した後に雑草は表層のみを刈る(根は残す)事で、雑草の生育を抑えつつキャベツの根へ養分が供給する仕組みを作ってあげるのが本来の手順。
また、キャベツは他の植物を排除せずに共存して生きる特性の作物。
ただ闇雲に雑草を刈ったり抜いたりするのではなく、土壌の中で何が起きているのか、作物がどういった特徴なのかをしっかりと把握したうえで作業をする。
一つ一つの行動の意味を常に考える意識を持つことが、健全な作物を育てる上で非常に重要だと、今回の事例で感じることができました。
農業は奥が深いです…!
これからも引き続き、スクール生の皆さんと学びを深めていきたいと思います!!
by みやっち