\SAS4期 Day2 3月21日開催/
2020.3.23(月)
3/20は春分。昼の時間と夜の時間が丁度同じ日です。光(日差し)の具合で水、温度、空気が変わっていきます。農を生業とするなら、とても大切な季節の変わり目と言えます。1日明けた今日は、少し汗ばむくらいの陽気で、春を感じました。
実習・夏野菜の播種
播種したのは夏野菜のトマト、ナス、ピーマン、そして春野菜の白菜です。
春野菜も夏野菜も播種の仕方は基本的に一緒です。
培土について
SASでは、培土に種まき用EM有機培土を使っています。
これは、ピートモスを主原料に天然鉱物、たい肥、有用微生物群(EM1号、2号、3号)を配合した有機栽培に適した育苗用の培土で、触るとフワフワしています。
→トマト、ピーマンの培土
なるべく少肥でたくましく育てたいので、培土の肥料分を薄めるためにブレンドして使います。
薄め方はキャベツ、ブロッコリーと同じく約10%の鹿沼土をブレンド。
覆土も鹿沼土にします。
→ナスの培土
ナスは肥料が大好きなので、培土100%で播種します。
培土をブレンドする
①桶に培土を入れ、培土の表面に鹿沼土10%を平らに敷きます
②潅水をします(潅水の仕方がキーポイントで土をたたかないように水をかけます。たたかない潅水の仕方はじょうろの口を上に向けてふわっと雨を掛けるようにします。潅水を3往復ぐらい行い、一回潅水を止め培土の中の空気を抜きます。)
③培土、鹿沼土、を鍬で切るよう混ぜて水をまんべんなく行き渡るようします。
④③を3,4回繰り返し培土を握って団子が出来るか出来ないかぐらいの感覚で出来上がりです。
培土を土詰めする
まずはセルトレイの穴いっぱいに培土を詰めます。
そして、指で押し込みます。
その上からもう一度土を詰め、指で押し込みます。
3回目、さらに培土をトレイの穴いっぱいに詰めたら、種を植えるためのくぼみ(植穴)を作ります。
土詰めのポイントは「堅からず、柔らからず」。
この加減がなかなか難しい!
仕上がりに個人差が出ます。
正解は「発芽してくれること」。
まさに「自然が先生」「すべては仮説」「結果から学ぶ」です。
講義:有機農業の先達
岡田茂吉
自然農法の理念:大自然を尊重し、その摂理、規範に順応する
自然農法の原理:生きている土の偉大な力を発揮させる
福岡正信
不耕起(耕さない)・無肥料・無農薬・無除草
米麦不耕起連続直播:稲を刈る前にクローバーをまき、裸麦の種の粘土団子をまき、稲を刈ったら稲わらを振りまく。麦を刈る前に稲籾の粘土団子をまき、麦を刈ったら麦わらを振りまく栽培技術です。
川口由一
自然と人間が共生する農のあり方=自然農を提唱。
3つの基本:耕さない・肥料農薬を持ち込まない・草や虫を敵としない
ルドルフ・シュタイナー
バイオミックの提唱者。占星術に基づく宇宙の諸力を活用するためのカレンダーなどを利用した人(ヨーロッパではブドウの生産などに活用されていました。)
木村秋則
リンゴの自然栽培を実践した人です。10年近くリンゴの無農薬栽培を実践してきてようやくリンゴに花が咲き、実も通常通り着くに至りました。こうして確立した無農薬、無施肥での栽培方法は「世界で初めてではないか」と評されている。「奇跡のリンゴ」で映画化された方です。
アルバート・ハワード
たい肥作りの完成者です。
日本の有機農業運動の草創期から活動する農業者も彼の影響を色濃く受けています。
人の数だけ、畑の数だけ、作物の数だけ、気候の数だけ、その組み合わせの数だけ農法はあり、他にも学ぶことが多い方がたくさんいます。
SASでは伝承農法や慣行農業、有機農業などの中からその場の自然に合わせていい技術を取り入れた農業を目指しています。