\SAS4期 Day4 4月18日開催/
2020.4.24(金)
緊急事態宣言の外出自粛要請を受けて、SASでも講義の方法を変更しています。
雨上がりの畑には虹がかかっていましたが、実習は基本的に来年度に繰り越し。
畑作業は通常通り行っているので、人数を限って見学&体験を受け入れています。
講義はzoomを使ってオンラインで実施。
そして今日が初めてのオンライン講義です。
講義は、今までの復習から始まりました。
1. SASが大切にしていること
①自然が先生 畑が先生
②すべては仮説:答えは自然がくれる
③出したものが返ってくる アウトプットから学ぶ
2. 農業生物学の基本
①起源と伝播の歴史に作物の個性の源がある
②生活史の中に個々の生活を理解する
③生態系との関わり合い方を理解する
3. 人間という共生体・共同体
・人間の体には常在細菌(マイクロバイオーム)が無数にいて、特に腸内には100兆個の菌がいる。
健康な人の腸内環境バランスは?
日和見菌:善玉菌:悪玉菌のバランスがそれぞれ
7:2:1になっている。
つまり、日和見菌が多数を占める。
・人間の腸と植物の根には共通する仕組みがある。
どちらも微生物が分解した栄養分を腸の繊毛や根から吸収する。
そして、微生物の生態系が豊かになれば、悪玉菌だけが増えることを防げる。
4. 地球の生態系を豊かにするためには?
・グランドファーザー(ネイティブアメリカン)の教え
「我々は地球のケアテーカー(お世話人)である」→農業での実践の仕方
・我々に共生している微生物が喜ぶことをする。
・土壌生態系が豊かになるようにかかわり続ける。
・作物の気持ちになってかかわる。
・作物や田畑を取り巻く環境を豊かにする。
5. 土ってなんだろう?
・土壌とは
→「母材・気候・地形・生物・時間・人為の影響で生成した自然体」のこと。
よって、これらの組み合わせによって無数にある。
・土の歴史
太陽の熱や水によって岩が砕かれたり、植物や微生物が住み着いて、 長い時間をかけ、石をさらに細かくしながら土を作っていく。 何千年や何万年もかけて作られる。 1cmの土ができるのに、だいたい100年かかる。
・自分の土壌を調べてみよう
農研機構の「日本土壌インベストリー」で土壌の種類や分布図を見れる。
・土の生成
→三宅島の例。
・日本は黒ボク土が主流 →物理性は良いが、化学性が悪いので改良が必要なことが多い。ただ、改良すれば作物の栽培に適する土になる。
6. 土づくりと育土
・土づくりとは
作物を育てるための基盤整備・・・土台づくり →物理性・生物性・化学性を整えること。
・育土とは
作物が育ちやすくなるように土壌生態系が 発達するための人間の関わり。
→活性化・・・有機物(餌)を使って微生物や小動物の数を増やす。
→秩序化・・・作物にあった土壌生態系作り(連作・作付計画など)
・育土の3段階
①土づくりによる基盤整備
→明きょ・暗きょ、pH調整、塩基バランスなど 主に物理性・生物性・化学性の整備。
②土壌の活性化・多様化 →緑肥などの有機物の投入。太陽熱マルチ処理。
③土壌の秩序化・組織化 →その土壌での育種。
・物理性、化学性、生物性の関連
①物理性+化学性 → 保肥力
②化学性+生物性 → 酸化還元(地力窒素の発現など)
③生物性+物理性 → 土のやわらかさ(土壌団粒の形成による)
→それぞれが相互作用するので、とても重要。
・作物が喜ぶ土の4条件
<物理性>
①空気・・・通気性が良い。
②水、団粒構造・・・水持ちが良く、水はけが良い。
<化学性>
③適正なpH・養分のバランス。
<生物性 >
④生物の種類と量が豊富。
9時から13時まで休憩をはさみながらの4時間たっぷり。
農業にとって大切な土の基本的な事を学びました。
講師のたっちゃん、参加者の皆さんお疲れ様でした。
大体の農作業が、今日学んだこの基本に当てはまります。
自分が行っている作業の一つ一つが、何を良くしているんだろうか?
ということを意識しながらできるといいですね。
しばらくはオンラインでの講義になりますが、
やっぱりみんなと顔を合わせて学べた方が気持ちいいですね~。
またみんなで畑で会える日が1日も早く来ますように。
自分でできることをきちんとしたいと思います。
畑にかかる虹・別アングル
なんとダブルレインボーが写っていました!
*お知らせ*
いかすには自然のリズムに合わせた農的生活をあなたのペースで体験できる”アースケアテイカー”と言うしくみがあります。
もしよかったら、マスク着用の上、適切な距離をとって一緒に農作業をしてみませんか?
気持ちの良い畑で過ごす時間は、日々の緊張も緩めてくれると思います。
ご希望の方は、お気軽に、まずはご一報ください。
但し、自動車・自転車・徒歩で安全に畑まで来れる元気な方限定で。