\SAS8期スクール日記・圃場実習DAY6・5月21日開催/
2022.5.22(日)
SASスクール日誌担当のSAS8期の稔です。
5月21日は、二十四節気では小満にあたり太陽の光を浴び、生命がすくすくと成長する頃とされています。
本日は、キュウリの仕立て・トマト芽欠きと誘引と病害対策、ホーリーバジルの播種、サツマイモの定植を行いました。天候不順のため体操・瞑想はお休みでした。
今回はいかすで育てているトマトとその芽欠き・誘引等、ホーリーバジルについて書きたいと思います。
いかすでは、アイコと言うミニトマトのソバージュ栽培をしています。アイコの特徴は甘味が強く、飛び散りにくいので小さなお子さんでも食べやすく、加熱してソースなどにしても旨味のある美味しいソースになるそうです。形はラグビーボールの様な形をしています。栽培面では皮とヘタが丈夫なので雨でも割れにくく、落下しづらく収量も安定しています。斑点病・葉カビ病などになりにくいそうです。栽培環境によってはミディサイズ程になる様です。
また、ソバージュとは仏語で「野性的」という意味だそうで、できるだけ人手や設備投資を少なくし、省力化することにより低コストで高収益を目指すという栽培方法です。
収量の増加が見込め、リコピンの含有量が上がると言う研究結果もある様です。
今年は梅雨入りが早く雨量も多めになりそうなので、いかすでは疫病対策や秀品率UPの為にぼかし肥料や酢、籾などを用いて土着のトリコデルマと言う菌を増やしたり、芽欠き・仕立て方等を工夫したりしています。
脇芽かきは、①まず株全体を見て、一番下に生えている花を見つけます。②その直ぐ下にある脇芽(第一果房直下)の脇芽は残し、そこから下の脇芽は全て根本からキレイに取ります。下部をスッキリさせることで、湿気が留まらない様にし、泥はねを防ぎます。泥はねからも病気に感染してしまうそうです。
脇芽欠きのタイミングとしては脇芽のサイズが5から10㎝くらいがトマトのショックが少なく良いそうです。あまり早い(短い)タイミングも良くなく、植物の生長点でオーキシンが作られてそれに対応して根のサイトカイニンが根を伸ばしていくので、生長点である脇芽をある程度伸ばしてあげてから欠くことで根の成長に良い影響を与えるそうです。
今年は低日照や雨が多いなど天候不順が予想されるので、第三果房までは着果したらその果房の先端から半分ほどを取り、まずは丈夫な体を植物に作ってもらいそれから実を育ててもらうことになりそうです。
いかすではソバージュと言えど、あまり初期から放任にせず、下段を4本仕立て、中部は今年は8本仕立てする予定です。こうすることで全体的な収量は落ちるかもしれませんが、小さい実を沢山つけるという事がなくなり秀品率UPにも繋がります。
誘引は、トマトがしっかり垂直に立つようにします。今回のトマトの樹のサイズは30から40cm程でしたが、脇芽が丈夫であれば脇芽での誘引もOKです。
その年の天候や畑の条件、樹勢などで植物や畝等の管理を柔軟に考える事が大切なのだなと思いました。そのための引出しを自分で多く持って置く事、相談できる先輩や情報交換できる仲間が沢山居ると、頼もしいですし楽しいのではないかなと感じました。
今回はホーリーバジルの播種も行いましたので、その紹介もさせて頂けたらと思います。
ホーリーバジルはアジア、オーストラリアの熱帯が原産で、サンスクリット語でトゥルーシー(比類なきもの)と呼ばれています。効能としては、呼吸器系疾患の予防、緩和、風邪の予防、症状の緩和、抗酸化作用による老化や生活習慣病等の予防など、数百の効能があると言われ、肉体的、精神的ストレスへの抵抗能力を高める働きのある「アダプトゲン」を含む植物としても認定されているようです。天然オゾンやマイナスイオンを大量に発生させることから、空気を浄化するハーブとしても知られています。
インドでは生葉を毎日食せば医者に行く必要がないと言い伝えられているそうです。
今回播種したものの一つにオオヤトゥルシーと言う品種がありますが、これはNPO法人日本ホーリーバジル協会理事長の大矢泰司氏が、日本の気候にあったもの、効能が高いものを求めてインドを旅し親交のあったダライ・ラマの協力を得て、インドの農業機関で品質改良した品種です。葉の裏のむらさき色の斑点と高い香りが特徴だそうです。
今回は急な雨が何度かあり、なかなか予定通りに行きませんでしたが、SAS生の皆さんには柔軟に対応して頂き無事に終える事が出来ました。ありがとうございました。