\SAS7期スクール日記・圃場実習DAY5・11月6日開催/
2021.11.6(土)
圃場日誌担当のトーイです。
今日11/6(土)は晩秋の最後、明日から季節が変わり立冬となる、冬隣の日。
本日は予告通り、オール玉ねぎデーとなりました。
■『玉ねぎ苗の掘り起こし・選別』
午前中の作業は、9月初旬に植え付けた玉ねぎの苗を掘り起こし、サイズや形状ごとに選別します。
品種は、極早生の「アリオン」、早生の「浜育ち」、赤玉ねぎの「レッドアロー」の3種。
密生した苗を、傍からスコップで軽く掘り起こし、手で取り上げていくのですが、ジャガイモの収穫などとは違い、スピード重視で斜めにスコップを差していきます。根は多少傷ついても再生するので、球だけ傷つけないよう、効率良く掘り出します。(余談ですが、玉ねぎの球根部分は、厳密には葉が幾重にも重なりできた膨らみだそうです。なので、玉ねぎは分類としては根菜類でなく、葉茎菜類に属します。)
大量の苗を一気に掘り起こしたら、生育の度合いによりS・M・Lのサイズと、変形(球が曲がったりしたもの)で選別していきます。みなさん大きさの感覚がそれぞれ違ったりしたため、この選別作業は予想外に時間がかかってしまいました。
選別した苗は、乾燥防止と、「菌慣れ」のため、根の部分を1000倍に希釈したEM(有用微生物)活性液に浸して、定植する畑まで運びます。(指導員のガンさん曰く「菌慣れ」は、おまじないだそうです。)
ちなみに、苗の葉を食べ比べてみたところ、アリオンは甘く、レッドアローは後味に辛味があり、浜育ちはクセがありませんでした。
■『とう立ちについて』
お昼休憩では、講師のたっちゃんさんから、玉ねぎの董立ち(抽苔)を防ぐための手段についてお話しがありました。
玉ねぎや大根などの野菜は、種から発芽した後の栄養成長段階において、一定期間低温に晒されて、その後日長が延び温度が上昇することにより、花芽形成(花成)に至ります。(この性質を「緑色植物低温感応性」と呼ぶそうです。)
花成に伴い、葉を展開する茎が伸長を始め、栄養成長が止まってしまうことを「とう立ち」といい、葉茎菜類では収穫までこれを防がなければなりません。
作物により花成のきっかけが異なるため一概には言えませんが、とう立ちを防ぐ方法として、低温感応性の作物の場合は、パオパオ(農業用不織布)を被せて温度を調整したり、低温に晒された翌日に24℃以上の高温にさらすことで低温感応をリセットする方法(ディバーナリゼーション)や、なかには無理矢理伸びた葉を切り揃えてしまう方も居るそうです。
■『玉ねぎ苗の定植」
午後は、畑を移動して午前中に抜いた苗を定植していきます。
2反の広さの畑には、最終的に約70000本!の玉ねぎが植え付けられる予定だそうですが、果たして本日中に何本定植できるのか…?
まずは黒マルチに、専用の穴あけ機「玉ねぎロケット」を使い、5条/株間10cm間隔で穴を開けていきます。(去年、4条で育てたところ、球が大きくなりすぎてしまったとのこと。また、玉ねぎは密生していても自らスペースを作り大きくなるそうなので、株間は5cm程まで狭くても大丈夫だそうです。)
球部分が隠れる程度まで苗を入れ、軽く鎮圧して固定します。玉ねぎは根が強いため、鎮圧せずに穴に差しておくだけでも活着するそうですが、鎮圧することで多少風にも強くなります。また、根がマルチからはみ出していても、新しい根が生えるので問題ないそうです。
その後、ひたすら苗を定植し続けたのですが、人数が多いため和気藹々と、スピーディーに作業は進みました。
ただ、作業終わりには腰や肩の痛みを訴える方も…。みなさん、農作業の厳しい一面を少し体感できたのではないでしょうか。
最終的に、2時間強の作業で約10000本弱の苗を植えることができました!長い畝に整然と植えられた苗の姿は壮観で、まだまだ畑全体の半分にも満たないのですが、ちょっと達成感も覚えました。いかす農園では、11月は玉ねぎのシーズンといっても過言ではないそうで、まだまだ次回も玉ねぎ作業は続くそうですが、みなさん一緒に頑張りましょう!