\SAS7期スクール日記・圃場実習DAY4・10月23日開催/
2021.10.24(日)
SAS7期トーイです。
昨日の天気とは打って変わり、雲ひとつなく晴れ渡った10/23(土)、二十四節気では霜降(そうこう)に差し掛かり、気温も下がってフリースやダウンを着る人もチラホラ見られました。
本日の実習では、午前中に『ソラマメ・エンドウの育苗播種』、午後は『エンバクの種の手撒き』『堆肥の手散布』を行いました。
作業前恒例の瞑想・観察タイムにて、キャベツの虫食い被害の個体差に気づいた7期生のユウさん。なぜ、虫食いの酷い株のすぐ隣で、全く被害を受けずにスクスクと育つ個体がいたりするのか?
講師のウッチーさんによると、作物は集団で生きている為、虫に食われた株を察知すると、その周辺の個体がより強く育つことがあるそうです。物言わぬ植物同士のコミュニケーションは不思議で心惹かれます。
■『ソラマメ・エンドウの育苗播種』
育苗ハウスにて、消毒し青く着色された豆の種に目を丸くしつつ、播種の下ごしらえとして、鹿沼土とのブレンド培土を作り、ポットに詰めていきます。培土のブレンド作業は9/25(土)の実習でも行いましたが、ホイップするように空気を含ませながら土を混ぜるクワ捌きは、一朝一夕には身につきません。
ソラマメは75mmのポットに1粒ずつ、エンドウマメは60mmのポットに2粒ずつ播いていきます。
ソラマメの撒き方には流儀がいくつかあるそうで、基本は種の割れ目が黒くなった、通称「オハグロ」側を下に向けて、幼根が下に、本葉が上に伸びる向きで、種の頭頂部は露出させ、培土に埋め鎮圧します。
今回は基本の他に、農学者の木嶋利男さん流の、タネを横向きで埋める方法も試しました(上部写真)。果たして播き方により発芽に違いが出てくるのか楽しみです。
エンドウは2粒をポットに落とした後に、種のサイズの2倍ほどの深さまで指で埋め、覆土し鎮圧します。同じマメ科でも、種のサイズや特性により播種の方法が違うので、注意が必要です。
それぞれ灌水後は、レタスやブロッコリーとは違い新聞紙での保湿は行わず、温度管理の為、電熱マット(!)と黒の防草シートを敷いた上にトレーを床置きします。ハウスの中も着々と冬支度が進んでいます。
昼休憩後、ウッチーさんによる土壌診断の為の土の掘削講座が行われました。
畑の土は60cmも掘れば幾層にも土質が変化しています。その層を観察することで、土の粘性や硬度(水はけなど)、根の張り具合(作土の深さ)などの物理性を確かめることができます。
畑を始める際は、まず自力で穴を掘ってみて、見て触って土質を知ることが始めの一歩になります。
■『エンバクの種の手撒き』
午後は畑に移動して、ジャガイモの春作へ向けた、緑肥とするためのエンバクの播種を行いました。反当たり12kg(一般的には10kg程)計算で、各自区画ごとに相応の量を手撒きするのですが、手首のスナップにコツがいるため、全体にムラなく撒くのが難しく、早く撒き終わる人もいれば、なかなか撒き終わらない人も(下部写真:播種の様子)。
播種後はトラクターで浅く耕運し覆土とします。
■『堆肥の手散布』
最後にまた畑を移動して、作物残渣の分解を促すスターターの役目として、事前に袋分けしておいた「有機肥料サンシン」さんの、コーヒー豆や大豆カス、昆布出汁のカスなどからできた植物性堆肥の手散布を行いました。
1袋10kgの堆肥を小脇に抱えるのには、やはり苦労されている方も散見されました。堆肥の散布車が入りづらい畑などでこういった力仕事がどうしても必要になります。
また、いかす農園では、微生物の活性化を促すために、あえて完熟堆肥ではなく中熟堆肥を使用して、現地での発酵を行っているそうです。ウッチーさん曰く、「完熟堆肥では畑が止まってしまう」そうです。
放課後タイムは、畑を囲む刈り倒したソルゴーの残渣を、畑全体に戻す作業を行いました。
次回11/6(土)の圃場実習までに、今日植えたソラマメやエンドウ、エンバクがどうなっているか、変化が楽しみです。